「Web戦略」は今やビジネスに欠かせない考え方のひとつですが、なにを意味するか実はよく分かっていないという人も多いかもしれません。「調べてみようと思って本を読んでも専門用語が多くてわかりにくく、わからないままになってしまっている」そんなことはありませんか。

この記事では「Web戦略について知りたい」「理解を深めたい」という人のために、Web戦略について簡潔に説明していきます。専門用語をあまり使わずに解説しますので、安心して読み進めてください。この記事を読めばWeb戦略の考え方がわかり、Web戦略の立て方がイメージできるようになります。Web戦略の理解を深め、自身のビジネスに活かしてください。

Web戦略とは一言でまとめると「Webをどのように活用するか計画を立てる」ということです。たとえば、ホームページを作るときには、事前に次のようなことを考えて作る必要があります。

・誰に向けたサイトなのか
・どうやってそのサイトにたどり着くのか
・サイトを訪れた人はサイト内のどんな内容に興味を持つのか
・サイト閲覧後にどんな行動を取るのか

これらを考えるためには、事前にリサーチをしたり、ゴールを設定して方向性を決めたり、何度も考察を繰り返したりする必要があります。この「どうすれば目標を達成できるのか」を考え、「ゴールに向かって計画を立てる」行為がWeb戦略を立てる行為そのものです。

現在は、年代を問わずスマートフォンを持ち、なにをするにも「スマホで調べる」ことが欠かせません。企業は、Webサイトを持つことが当たり前になり、いかに自社のサイトを多く長く見てもらい、狙った行動を起こしてもらえるかが重要になりました。

今後もWeb市場はますます拡大していく可能性が高いです。なにも考えずに走り出しても目的地にはたどり着けません。目的地にたどり着くための地図の役割を果たすWeb戦略が必要不可欠だということがわかるでしょう。

Web戦略の立て方を3つのSTEPに分けて説明します。それぞれのSTEPで大切なことはできるかぎり客観的に自社やサービスを捉えることです。客観的に物事を考えるために使われるのがビジネスの場で多く用いられている定型化された考え方（フレームワーク）です。ここではそれぞれのSTEPで使いやすいフレームワークを併せて紹介します。

まずは現在企業が置かれている状況把握に努めます。どんな課題があるか、強みはなにかなどを明らかにする段階です。現状把握におすすめのフレームワークが「SWOT分析」です。

SWOT分析は企業の内部要因と外部要因を下記の4つのカテゴリーに分けて考え、自社を客観的に捉えようとする考え方です。

【SWOT分析の4つのカテゴリー】
・強み（Strengths）
・弱み（Weaknesses）
・機会（Opportunities）
・脅威（Threats）

SWOT分析のやり方を簡単に説明します。まず、自社の「強み」と「弱み」を分析するために企業の内部要因（社員・サービス・資金・情報など）をできるだけ客観的に洗い出します。客観的に洗い出すためには、競合と比較して分析するとわかりやすいです。

次に、「機会」と「脅威」を知るために、外部要因（景気や経済の動向・業界の動向・政治など）を洗い出します。SWOT分析で洗い出された要素は自社の現状を客観的に把握することに役立ちます。ここで把握した現状をもとに、具体的な戦術の設計に進みます。

戦術とは顧客にアプローチする手段を指します。Webにおいては、ホームページ・SNS・広告運用・メールなどが当てはまります。検索して上位に表示させるためのSEOも先述の一つです。これらを、いつ・何を・どのように実施するかがこの段階です。戦術設計時には「4C分析」が良く用いられます。

4C分析は自社のサービスを顧客の視点に立って分析する方法です。

【4C分析のカテゴリー】
・顧客にとってどのくらい価値があるか（Customer Value）
・顧客が費やすお金や時間はどれくらいか（Cost）
・顧客の利便性を生み出しているか（Convenience）
・顧客と良いコミュニケーションが取れているか（Communication）

これらの要素はWebサイト設計を考える際にも当てはまります。「顧客にとって価値のあるサイトか」「サイトの訪問時間はどれくらいか」「顧客にとって使いやすいサイト構成か」「顧客が欲しい情報を得られているか」という視点で考えることで、自ずと求められるホームページ像が明らかになります。

施策実行段階では、常に現状を把握し、改善し続けることが重要です。なんとなく良い・悪いという判断にならないために、現状を数値化し、目標数との差を確かめるようにしましょう。

Web戦略は、ビジネスの成長において必要不可欠なマーケティングの軸の一つです。Web戦略が明確になっていることで、ゴールまでブレずに必要な選択をし続けることができます。この記事を読んでまずはWeb戦略の必要性や立て方についてのイメージを持ち、自社に合った具体的な方法を検討してみてください。

参考：WEB戦術って？これからの企業に必要なWEB戦略を解説 ／ Web戦略はどう立てる？企業サイトの効果的な運用についての考え方