「箱の印刷はどれも同じ」と思っていませんか?箱(=パッケージ)の印刷や形状は想像以上に種類が多く、見た目の印象はもちろん、組み立てやすさ・持ち運びやすさ・重ねやすさ・保管しやすさなどが種類によって大きく異なります。よく考えずに発注すると販売する側にとってもユーザーにとっても「イマイチ」な箱になってしまうことがあります。
この記事ではパッケージの印刷を選ぶ際に、押さえたいポイントや箱の活用方法について印刷会社の視点で解説していきます。商品の第一印象を左右し、箱を開ける瞬間のわくわくを演出してくれるパッケージについて、一緒に考えていきましょう。
記事の目次
見た目にばかりにとらわれるのはNG!箱の利用シーンをイメージしよう
パッケージ印刷、と聞くと、箱の表面にどんなテキストやイラストが印刷されているかをイメージすることが多いかと思いますが、関係した箱の見た目ばかりにとらわれてしまうと、良いパッケージにはなりません。
印刷会社から箱が送られてくる、送られてきた箱を保管する、箱を組み立てる、箱を陳列する、ユーザーが持ち運ぶ、箱を開ける、などさまざまなシーンを考慮することで、使い勝手も見栄えも良いパッケージが仕上がります。
パッケージ印刷で失敗しないために押さえるべき5つのポイント
前の章でパッケージ印刷で箱が利用されるいろいろなシーンを想像することが大切と説明しましたが、実際に押さえておきたいポイントは次の5つです。
【パッケージ印刷で押さえるべきポイント】
・コスト
・保管性
・陳列性
・強度
・見た目
各項目についてくわしくみていきましょう。
コスト
コスト=パッケージの単価は大事な指標です。箱のコストは工程の複雑さや、1個当たりの紙の量、量産しやすいかで決まります。箱が作られる工程や量産性の有無は箱の展開図をイメージするとわかりやすいです。たとえば、キャラメルの箱のような1枚の紙から作られている箱はコストが安く、卒業証書が入っているような丸い筒型の箱は工程が複雑で量産しにくいのでコストが高くなりがちです。
保管性
保管性は、在庫の箱を取っておく際に少ないスペースで保管できるかどうかという観点です。折りたたんだ状態で保管できるかどうかがポイントになります。段ボール箱のような形状の箱は、組み立てる前の薄い状態で保管できるのでスペースを必要としません。一方、組み立てられた状態で納品される箱や、底部分と蓋部分に分かれていてパーツ数が複数ある箱は、十分なスペースが必要になります。
陳列性
陳列性は、商品を売り場に並べやすいかどうかで、箱の安定性や重ねやすさが重要です。お土産屋さんをイメージしてみてください。平らな箱に入って積まれているお菓子は陳列性が高く、ケーキなどの持ち手がある箱は積み上げられないので陳列性が低いです。四角い形状の箱は、上に重ねやすく、横にも並べやすく陳列性に優れますが、丸やハートなどの形状の箱は、陳列性が劣ります。
強度
箱の強度は、使われる紙の厚みや枚数、組み立て方で決まります。基本的には1枚の紙で作られている箱より、蓋と底でパーツが分かれている方が強度が高いです。また、キャラメルのパッケージのように箱の上部も下部も同じ形状で作られている箱と、下部(底部分)が抜けにくいように4枚の紙を組み合わせて作られている箱では強度が異なります。
見た目
高級感や重厚感がある箱は見栄えが良く、高価格の商品をパッケージするのに適しています。芯となる厚い紙の上に、印刷された紙や和紙などの特殊紙を貼る貼箱は、見た目も良く強度もあります。組んでいる部分(紙の折り目)も見えないので、思わず取っておきたくなるような箱に仕上がります。
印刷会社が教える使い勝手の良いパッケージ印刷5選
上で紹介したポイントを踏まえ、使い勝手の良いおすすめのパッケージを5つ紹介します。
キャラメル箱
もっとも一般的なパッケージの一つで、コスト・保管性・陳列性に優れています。厚めの素材を使えばある程度の強度を持たせることも可能です。
コスト:◎
保管性:◎
陳列性:◎
強度:〇
見た目:△
ギフト箱
ふたの部分と底の部分が分かれているタイプの箱です。ふたを開けると、中身がすべて見えるので、華やかさの演出に長け、お土産やギフトなどによく使われます。陳列性、強度に優れています。箱自体は直方体で見た目の良さはありません。
コスト:〇
保管性:△
陳列性:◎
強度:◎
見た目:△
手提げタイプ
持ち手がついているタイプの箱です。持ち運びがしやすいのはもちろん、箱の天地が明らかなのでケーキなどの崩れやすいお菓子を入れるのによく用いられます。
コスト:〇
保管性:◎
陳列性:△
強度:△
見た目:〇
ピロ―タイプ
枕のような形をした箱です。曲線が目立つ形状で、カジュアルな印象を与えられます。コストや保管性は抜群ですが、陳列性や強度に欠けます。
コスト:◎
保管性:◎
陳列性:△
強度:△
見た目:〇
紙管(スパイラル型・平巻き型)
円柱型で賞状を入れるイメージが強いパッケージです。筒の部分がらせん状に巻きつけられているスパイラル型とまっすぐ巻きつけられている平巻き型は、形状は同じでも見た目や強度が異なります。
コスト:△
保管性:△
陳列性:〇(立てて並べた場合)
強度:〇
見た目:◎
どんなパッケージにするか迷ったら
このページでは、パッケージ印刷を選ぶポイントとして、コスト・保管性・陳列性・強度・見た目の5項目を紹介しました。商品の顔となる良いパッケージを作るには、商品やお店との相性を考慮することが重要です。
「この商品にはどんなパッケージが合うかな?」「パッケージを新しくしたい」と思っている方はぜひ新潟印刷にお問い合わせください。記事内で紹介した5種類以外にもさまざまなパッケージをご用意しています。商品イメージや予算に合わせ、デザインはもちろん機能性を兼ね備えた最適なパッケージ印刷をご提案します。