2023年、新年あけましておめでとうございます。新潟から新年のご挨拶を申し上げます。お正月と言えば、年賀状。みなさんはどんな年賀状を出しましたか?このページでは、「最初に年賀状を送ったのは?」「お年玉はがきの誕生秘話は?」など、年賀状の歴史とこれからについて2023年最初の豆知識をお送りします。
記事の目次
年賀状の歴史 ― 注目トピック4選
年賀状の歴史は長く、古くから新年の挨拶の手段として日本人に親しまれてきました。ここでは年賀状の歴史の中でも注目すべきトピックを4つ選んで紹介します。年賀状の豆知識として、ぜひ楽しみながら読んでみてください。
年賀状を初めて送ったのは平安時代の貴族
日本で年賀状が始まったのは、平安時代だといわれています。平安時代の後期にまとめられた、手紙の文例集「雲州消息」の中に、年始の挨拶に関する文例が見られたためです。このころには貴族の間で、手紙による年始の挨拶が行われていたのではないかと考えられています。
飛脚が届ける江戸の年賀状
江戸時代になると年賀状は武士や庶民にも広がりを見せます。年賀状文化の拡大に一役買ったのが「飛脚」の存在です。飛脚は現在の郵便や宅配便に似たサービスで、道の整備が進んだことを背景に江戸中期ごろから飛脚制度が充実しました。 当時日本は寺小屋で「よみ・かき・そろばん」の教育が急速に普及し、世界一の識字率や就学率を誇っていました。庶民が年賀状を楽しめたのは、飛脚と寺子屋のおかげともいえます。
「年賀郵便」で郵便局員の負担軽減
明治に入ると、郵便制度が開始され年賀状はさらに一般的に贈られるようになります。明治6年には郵便はがきが発行されたのをきっかけに、年賀状の量が激増し、元日の消印を狙って多くの人が年末にはがきを投函しました。そのころ郵便局では、大量の年賀状の対応で局員が不眠不休で作業し、手がマメだらけになっていたと言われています。 年末に作業が集中する状況を避けるために取り入れられたのが現在の「年賀郵便」の制度です。年末のうちに年賀状を投函すれば、元旦に配達されるこの仕組みは明治32年に導入され、全国に広がりました。
戦後復興のためのお年玉はがき
明治以降、年賀状の総数は年々増え続けましたが戦争を機に取り扱いが中止されたこともありました。戦争による物資の不足から年賀状自粛の動きが高まり、1940年には中止されてしまいます。1948年には戦後の復興モードで年賀郵便が再開されましたが、戦前のピーク時の半数に満たなかったそうです。 現在のお年玉付き年賀はがきが始まったのは、1949年。「戦前のように年賀状を普及させれば、遠くにいる人の消息も確認でき、戦後のつらい状況から立ち上がるきっかけになる」という国民の声をもとに生まれました。 「生活が困窮している局面にふさわしくない」という反対の意見に打ち勝ち、お年玉年賀はがきは採用に至りました。現在ではごく一般的なお年玉年賀はがきには、戦後の日本を明るくしたいという人々の願いが込められています。
年賀状のこれから
年賀状の文化はインターネットの普及や人々の生活や価値観の変化とともに少しずつ変化を見せています。
年賀状離れ
2004年に44億5000枚という枚数のピークを迎えて以降、若い世代を中心に「年賀状離れ」が起こりました。日本郵便からは2023年用の年賀はがきの発行部数を16億4000万枚にしたと発表されています。この数は前年比数の約10%減、ピーク時の半分以下です。
年賀状じまい
年賀状離れに伴い、年賀状を出すのを辞めることを宣言する「年賀状じまい」という言葉も広がっています。年賀状をやめる際には、顔を合わせる機会がある人にはできる限り直接伝え、年賀状のみのやり取りをしている相手には、その年の年賀状に「来年より年始のご挨拶を失礼させていただくことにいたしました。今後は電話やメールでより密にご連絡させていただきます」などのメッセージを添えると良いです。
LINE・メール年賀状
若い世代を中心に、はがきの年賀状を送る代わりに、SNSやメールを使って年賀状を送る人が増えています。LINEでは年賀状専用のサービスが充実していて、郵便局公式のサービスもあります。動く年賀状や写真入りのオリジナル年賀状が定額で送れるとして注目を集めています。住所がわからなくても送れる、個人情報を気にせずに送れるなどのメリットもあります。
まとめ - やっぱりうれしい、紙の年賀状
インターネットの普及により、手軽に送れるメールやLINEの年賀状が広まりました。もちろん、画面上に届いた年賀状にも相手からの気持ちが感じられますが、やはり手元に届いた年賀状にはインターネット上の年賀状にはない良さがあります。お正月らしさを感じられたり、手書きの文字やイラストに心が温かくなったり、年賀状の魅力は今も昔も変わりません。自分や家族の記録として、年賀状を作っている人も多いのではないでしょうか。 便利さに負けない紙の魅力、とはいえ手軽で使い勝手の良いインターネットの魅力、どちらも大切にしながら、2023年も新潟の地場に根付く印刷屋「新潟印刷」としてみなさんのニーズにお応えしていきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。