デザインをする際、どのくらいフォントにこだわっていますか?明朝体・ゴシック体などさまざまなフォントの種類がありますが、それぞれのフォントの特性や機能を活かすことで、コンテンツの読みやすさや印象の強さをアップさせることができます。フォントを変えるだけで、ビジュアル全体のイメージが変わるほど、フォントの世界は奥が深いです。
この記事ではデザイン講座の3つ目として、フォントの選び方や整え方を開設します。レイアウト・配色に並んで重要なフォントに関する基本的な知識を身に着け、デザイン力をさらに高めていきましょう。
記事の目次
STEP1:フォントを選ぶ
フォントの選び方について説明します。
フォントを選ぶ際に気を付けたいポイント
フォントを選ぶ際、形を見て「なんとなくかっこいい」という理由で選んではいけません。次に紹介するポイントを踏まえて選ぶようにしましょう。
【フォントを選ぶ際に気を付けたいポイント】
①コンテンツの目的やターゲットに合わせて相性の良いフォントを選ぶこと
②可読性・視認性を意識すること
フォントには「上品」「力強い」「カジュアル」「繊細」などのイメージを持たせる機能があります。フォントを選ぶ際には、コンテンツの目的やターゲットとフォントが持つイメージを合わせることが重要です。例えば、ターゲットが子どもなら繊細なイメージのフォントを選ぶといったように相性を意識するようにしましょう。
可読性や視認性とは、文章の読みやすさ・目につきやすさ・読み間違いの少なさのことです。どんなに良い内容の文章でも、ターゲットに読んでもらえなかったり、読み間違えが起こったりしては価値が半減してしまいます。可読性や視認性が高いフォントを効果的に用いるようにしましょう。
よく用いられるフォント
実際に良く用いられるフォントの特徴やターゲットとの相性を説明します。紹介するフォントは次の四種類です。
【よく用いられるフォント】
明朝体
ゴシック体
セリフ体
サンセリフ体
明朝体・ゴシック体は和文フォント、セリフ体・サンセリフ体は欧文フォントです。日本語と英数字が混ざったテキストのときは、英数字は欧文フォントを使用してください。
明朝体
明朝体は曲線的で線の太さに強弱があります。上品なイメージがあり、小さく印刷しても可読性が高いのも特徴です。
イメージ:上品・繊細・真面目・フォーマル・高級感
相性の良いコンテンツ:フォーマルな挨拶状やお礼状・文字の小さい印刷物・情緒的なメッセージ・女性向けのコンテンツ
ゴシック体
ゴシック体は線の太さが均一で、遠くから見ても視認性が高いことが特徴です。カジュアルで親しみやすい印象を与えます。
イメージ:機能的・安定感・元気・カジュアル・率直
相性の良いコンテンツ:看板や標識・プレゼンテーションのスライド・説明書・マニュアル
セリフ体
セリフ体は線に強弱があり、文字の端に装飾があるのが特徴です。ラグジュアリーなブランドのロゴマークに使われることもあります。明朝体と相性がいい欧文フォントです。
イメージ:信頼感・真面目・エレガント・伝統的・格調高い
相性の良いコンテンツ:高級感を演出したいもの
サンセリフ体
サンセリフ体は、線が均一で装飾がないフォントです。モバイルデバイスでの視認性が高く動画などで使われています。ゴシック体と相性が良いフォントです。
イメージ:カジュアル・楽しい・新しい・親しみやすい
相性の良いコンテンツ:動画内テキスト・看板
ほかにも、筆で書いたような楷書体や、カクカクしたデジタル感のあるフォント、手書き風のフォントなどさまざまなデザインのフォントもあります。このようなデザインフォントは個性的で印象をガラッと変えてくれる反面、使いどころが難しいとも言えます。慣れないうちは、明朝体やゴシック体を選ぶようにしましょう。
STEP2:フォントを整える
フォントの太さや大きさ、文字と文字の間のスペースを整えることで、全体がまとまった印象になり見栄えが良くなります。ここではフォントを整える作業を説明します。
ウェイト(太さ)
ウェイトとは、文字の重さ=太さを指します。強調したり、目立たせたりしたいときは太めのウェイト、シンプルでスマートな印象に仕上げたいときは細めのウェイトを使用すると効果的です。フォントの種類によって、「Thin」「light」「Regular」「Black」のように表現されたり「W1」~「W6」と表現されたりします。
カーニング・トラッキング(文字詰め)
文字と文字のスペースを調整する作業=文字詰めをすることでも、テキストの印象を変えることができます。文字と文字の間が狭いと緊張感のある印象・間が狭いとゆったりした印象になります。
カーニングは2文字間のスペースを個別に整える作業、トラッキングは全体のスペースを一括で整える作業のことを指します。カーニング機能があるソフトは限られており、基本的にはトラッキングで文字詰めを行うことが多いです。
ジャンプ率(大きさ)
ジャンプ率とは、文字の大きさの比率の差を指します。例えば、見出しとテキストでジャンプ率を高くすることで、よりメリハリや躍動感が生まれます。逆にジャンプ率を低くすると落ち着いた印象になります。
まとめ
フォントの選び方・整え方で全体の印象が変わることがわかりました。まずは明朝体・ゴシック体をコンテンツの目的に合わせて選び、太さ・トラッキング・ジャンプ率を調整して仕上げてみましょう。基本的なデザインができるようになったら、さまざまなデザインフォントを使って、フォントの世界をどんどん楽しんでくださいね。
デザイン講座「vol.1 レイアウト編」「vol.2 配色編」「vol.3 フォント編」はいかがでしたか?ルールに沿ってビジュアルをデザインすることで、誰でも魅力的なコンテンツが作れるということが伝われば嬉しいです。デザインを楽しみながら、素敵なコンテンツを世界に届けてください。