PriPro
メディアとデザインの必勝ログ

紙の基礎知識まとめ★印刷用紙の【種類・厚さ・仕上がりサイズ】をマスターしよう

紙を選ぶ際には、印刷物の目的に合わせて紙の「種類」「厚さ」「仕上がりサイズ」を選択する必要があります。どのように紙を選べばよいか迷った経験はありませんか? この記事では、紙の「種類」「厚さ」「仕上がりサイズ」に関する基礎的な知識をまとめました。用紙選びで迷うことがないよう、紙の基礎知識を身につけていきましょう。

紙の種類

  色上質紙

印刷で用いられる用紙は、光沢の有無・発色の良さ・筆記しやすさなど様々な特徴があります。印刷で多く使われる7種類の用紙の特徴を紹介します。

紙の種類 光沢 発色 筆記性 コスパ おすすめの印刷物
コート紙 ★★★ ★★★ ★☆☆ ★★☆ 写真を多く使用するもの
例)ポスター・パンフレット・カタログ・折込チラシ
上質紙 ★☆☆ ★☆☆ ★★★ ★★★ 書き込んで使用するもの
例)コピー用紙・ノート ポストカード・メッセージカード
マット紙 ★☆☆ ★★★ ★★☆ ★★☆ マットな仕上がりで高級感を演出したり、 文字をはっきり読ませたいもの
例)イベント案内・カタログ・カレンダー
アートポスト紙 ★★★ ★★★ ★☆☆ ★☆☆ 精密な部分まで表現したいもの
例)ポストカード・カタログ・美術書・商品ポスター
クラフト紙 ★☆☆ ★★☆ ★★★ ★★★ 強度が必要なもの
例)包装紙・紙箱・紙袋・ショップバッグ
マットポスト紙 ★☆☆ ★★★ ★★☆ ★☆☆ 落ち着いた質感を出したいもの
例)写真を使わないポスター・名刺
ケント紙 ★☆☆ ★★☆ ★★★ ★★☆ 強度が必要な書き込むもの
例)会員証・ポイントカード・名刺

コート紙

コート紙は表面に光沢があり、触るとペタペタとした感覚があります。発色が良く、価格も一般的なので、印刷で用いられることが多い紙です。写真がきれいに表現でき、チラシやパンフレットによく使われます。

上質紙

大学ノート
上質紙は鉛筆やボールペンで書き込みやすいスタンダードな紙です。厚みの種類が多く、ノートやコピー用紙からポストカードまで幅広い用途で用いられます。写真を印刷するとくすんだ仕上がりになるので、写真を多用するものにはおすすめできません。

マット紙

マット紙は表面に光沢がなく、触るとさらりとしていて落ち着いた雰囲気が演出できるのが特徴です。色の再現性が高くきれいに発色するので、写真の印刷にも適しています。商品価値を高めたいパンフレットや、演奏会や美術館のイベント案内などに用いられます。

アートポスト紙

アートポスト紙は表面に光沢があり、適度な厚さのある紙です。写真の細部まで印刷できる表現力の高さが特徴です。色表現が大切なカタログや美術書、フルカラー写真のポストカードや商品ポスターに使われます。

クラフト紙

クラフト紙は漂白剤を使用しないことで強度を高めた紙で、薄い茶色をしています。破れにくく強度が高いので、包装紙や紙袋・紙箱などに使われます。単価が安いのも特徴です。

マットポスト紙

マットポスト紙は、アートポスト紙のマット仕様の紙です。厚さが求められる印刷物に適します。写真などを使うプロセス4Cのフルカラーの印刷にも対応しています。商品写真を掲載したパンフレットやポストカードに用いられます。

ケント紙

ケント紙は画用紙のような見た目をしていますが、なめらかで透き通るような質感があります。強度が高く、筆記性に優れているという特徴があり、会員証やポイントカードや名刺などによく用いられます。
一般的に用いられる場面が多いのは、コート紙・上質紙です。コート紙・上質紙の選び方は、写真の有無や書き込みをするかどうかで決めましょう。「高級感を出したい」「強度を高めたい」「精密な部分まで表現したい」という+αの機能が必要な場合は、目的に応じて用紙を使い分けると良いです。

紙の厚さ

紙の厚さ
用紙選びでは用途によって紙の厚みを考慮することも重要です。紙の厚みは「K」という単位を使って、印刷業界では一般的に四六判という規格で表記されます。70K・90K・135Kのように表され、数字が大きくなればなるほど紙の厚みが増します。紙の厚さは以下のようにイメージするとわかりやすいです。
紙の厚さのイメージ ※四六判基準

厚さ 用紙の厚み 主な用途
薄め:コピー用紙くらい ●コート紙73K 新聞折込チラシ
普通:ノートくらい ●コート紙90K
●マットコート紙73K
●上質紙55K
ポスティングチラシ
少し厚め:1万円札くらい ●コート紙110K
●マットコート紙90K
●上質紙70K/上質紙90K
カタログ・パンフレット
厚め:雑誌の表紙くらい ●コート紙135K
●マットコート紙110K
●上質紙110K
ポスター・会社案内
けっこう厚め:ハガキくらい ●マットコート紙135K
●上質紙135K
●アートポスト紙180K
ハガキ
かなり厚め:ポストカードくらい ●アートポスト紙220K ダイレクトメール
紙を厚くすると強度や高級感が出るというメリットがある反面、重くなったり持ち運びにくくなったりするというデメリットもあります。予算や用途によっては用紙の種類を変えずに厚みを増やして高級感や強度を高めるという方法も有効です。

仕上がりサイズ ※JIS規格

A判とB判の用紙のサイズ
身の回りの印刷物のサイズは、「A4」「B5」などと表されることが多いです。実際にどのくらいの大きさなのか下記の表にまとめてみました。
A判のサイズ一覧
サイズ表記 大きさ 印刷物の例
A0 841mm × 1189mm ・展示パネル
A1 594mm × 841mm ・屋外ポスター
A2 420mm × 594mm ・屋内ポスター
A3 297mm × 420mm ・選挙ポスター
A4 210mm × 297mm ・ポスティングチラシ
A5 148mm × 210mm ・教科書 ・参考書
A6 105mm × 148mm ・文庫本
A7 74mm × 105mm ・ポケットティッシュ裏のチラシ
B判のサイズ一覧
サイズ表記 大きさ 印刷物の例
B0 1030mm × 1456mm ・ポスター
B1 728mm × 1030mm ・ポスター
B2 515mm × 728mm ・カレンダー ・ポスター
B3 364mm × 515mm ・電車内の中刷り広告 ・フリーペーパー紙
B4 257mm × 364mm ・新聞折込チラシ
B5 182mm × 257mm ・ノート
B6 128mm × 182mm ・ビラ ・リーフレット ・パンフレット
B7 91mm × 128mm ・リーフレット
日本で使われている紙は「A判」「B判」の2種類があり、どちらもJIS規格(日本工業規格)で正確なサイズが定められています。A1はA0を半分に切ったサイズで、A2はA1を半分に切ったサイズというように数字が大きくなればなるほど用紙のサイズは小さくなります。  
用紙の選び方
A判は国際標準規格(ISO216)でもあり、B判は江戸時代の公用紙である美濃紙の寸法をもとに作られた日本古来のローカルな規格です。どちらも生活に根付いたサイズで、A4のコピー用紙・B5の大学ノートなど生活の中で目にする場面が多々あります。
印刷業界ではよく「仕上がりサイズ」という言葉が使われます。印刷機による印刷では大きな用紙(A判・B判など)に印刷して断裁や製本をして納品するサイズに仕上げるためです。用紙サイズ=A判・B判などの用紙自体のサイズ、仕上がりサイズ=断裁後の納品時のサイズと覚えておくと良いでしょう。

まとめ

  ポイント
用紙には様々な種類・厚み・サイズがあり、印刷したい物に合わせた用紙選びが重要だということが分かりました。用紙の基礎知識を理解して、目的に応じた用紙選びをしましょう。
新潟印刷では仕上がりのイメージを一緒に考えながら用紙選びのお手伝いをさせていただきます。お気軽にご相談ください。

CONTACT

お問い合わせ

お仕事のご依頼やお見積等、まずはお気軽にお問い合わせください。