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ペーパーレスで経費削減!? これからの印刷物の在り方を考えてみた

「ペーパーレスを導入して経費削減!」が現在の主流ですが、紙の印刷物はこのままどんどんなくなってしまうのでしょうか? ペーパーレス化には確かに多くのメリットがありますが、無視できないデメリットもあります。コスト削減のためにペーパーレスを進めるのは好ましいことです。ただし、紙の印刷物に可能性や価値があることを忘れてはいけません。

この記事では印刷会社の目線から、「これからの紙の印刷物の在り方」について考えてみたいと思います。ぜひ一緒に考えていきましょう。

近年ペーパーレス化が進んだモノ


契約書

ペーパーレス化は2016年の「電子帳簿保存法」の緩和や、近年のリモートワークが活発になったことで社会全体として取り組みが進んでいます。ペーパーレス化が進んだモノとして次のようなものがあります。

【ペーパーレス化されたモノ】
・請求書や領収書
・契約書
・FAX
・取扱説明書
・会議資料
・名刺
・帳票
・学校のプリント

スマートフォンやタブレットの普及に合わせてビジネスの場面にとどまらず、教育現場や日常生活などのあらゆる場面でペーパーレス化が進んでいます。ペーパーレス化を推進するサービスも充実しており、スキャナー・PDF・OCR(手書きの数字や文字を電子化する機能)・クラウドストレージサービスなどは誰でも無料で利用可能です。

ペーパーレスのメリット


ペーパーレスのメリット

ペーパーレス化には環境へ配慮・コスト削減・業務効率向上などさまざまなメリットがあります。ビジネスにおいては次のようなメリットがあります。

コスト削減

ペーパーレス化して印刷する機会を減らすことで、用紙代・インク代などの印刷コストが削減できます。印刷コストは企業の経費の4大コストの一つです。書類の保管や廃棄にお金がかかっている場合は、それらの費用も不要になります。

保管スペースが不要

ペーパーレス化した資料などは基本的にデータ保存されるので、大量の紙を保管する必要がなくなります。「倉庫が書類で埋まっている」「デスク周りに書類が散乱している」などの悩みから解放されます。

資料を探しやすい

サーバーに保存された資料はキーワードを入力すればすぐに検索ができます。資料を探すことに時間を取られていた人にとっては画期的なことです。業務効率や生産性の向上に大いに貢献します。

資料の共有や配布が簡単

電子化された資料はメールやクラウドサーバー上ですぐに共有ができます。遠く離れた相手はもちろん、社内資料もすぐに共有ができ一度に多くの人に共有してもコストが発生することはありません。複数人で同時に編集したり、スマートフォン・パソコン・タブレットなどの異なる媒体で閲覧できるのも大きなメリットです。

資源が節約できる

ペーパーレス化の推進は資源の節約に取り組んでいることの表れになります。紙の資源である木材使用の削減・印刷時に発生するCO2の削減など、環境への効果も期待できます。

ペーパーレスのデメリット


ペーパーレスのデメリット

メリットが多いように思われるペーパーレスですが、無視できないデメリットもあります。

システムの導入が必要

電子契約や電子帳票を導入する際には、システムの導入が必要です。サービスによっては印刷よりもコストが高くなる場合があります。「初期投資だから仕方ない」と思って、システムを導入したとしても、メンテナンス料・契約料・修理費など思わぬ出費が発生することもあるので注意が必要です。

また電子契約システムは、自社だけでなく、相手の企業も電子契約を導入する必要があることも忘れてはいけません。システムを導入したが思ったようにペーパーレス化が進まない、という事例があるのはこのためです。

不正アクセスの危険性がある

ネットワークを介して保管されたデータには、不正アクセスされるリスクがあります。いくらセキュリティに気を付けていたとしても、リスクがゼロになる可能性は低いです。社員のミスで機密情報が漏洩してしまったというニュースもいまだに見られます。多少のリスクがあることを理解したうえで万全の対策が必要です。

システムがダウンすると何もできなくなる

ペーパーレス化の大きなデメリットに、システムやネット回線がダウンすると、なにもできなくなることがあります。リモートワークでも、社内でも、システムトラブルで仕事に支障が出た経験がある人は少なくないのではないでしょうか。便利なペーパーレス化ですが、どうしても対処し切れないトラブルがあるのも事実です。

紙文書のほうがスムーズな作業も多い

業務効率や生産性を高めるペーパーレス化ですが、作業によっては紙文書の方が効率が良い場合もあります。たとえば、複数の文書を一度に確認しながら作業をする場合、モニターに複数の文書を表示させるとどうしても見にくくなってしまいます。モニターを大型化したり、複数のモニターを設置するデュアルモニターを導入しないと作業効率が落ちてしまうケースも。ほかにも、資料にメモをしながら進める作業なども紙文書のほうが作業がスムーズです。

印象に残りにくい

いくら便利な電子カタログや名刺でも、「人の印象に残るか」という観点では、素材やデザインにこだわって制作されて手元に届いた名刺・チラシ・カタログなどに適いません。紙に印刷されたものは家に持ち帰ってじっくり眺めてもらうこともできます。

まとめ -印刷物はいざというときの武器になる


まとめ

ペーパーレス化が主流になった今でも、紙の印刷物は手に取る人の印象に強く残ったり、いざというときの作業を助けてくれたりします。また、ペーパーレス化が進む中でも、ものづくりとしての印刷技術は日々革新しています。印刷会社として、人々に手に取ってもらい、大切に保管してもらえる印刷物を作り続けていきたいです。

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