グラフィックデザインは形を変え、機能を変え、わたしたちの生活を便利で彩り豊かなものにしてくれます。グローバル、DX、没入感、サステナビリティ…2023年現在のグラフィックデザインには、これらのキーワードを象徴するようなものが多く存在します。おそらく、10年前は別のキーワードが基盤になっていたはずです。
さて大好評シリーズ集中デザイン講座★第2弾のVol.3となる今回は「グラフィックデザインの未来②【デザイン大躍進】」として、10年後のデザインがわたしたちの生活をより豊かにすべく躍進している姿を予想したいと思います。10年後の社会はどんなキーワードで語られているのでしょうか? 10年後のデザインはどんな姿をわたしたちに見せてくれるのでしょうか? 一緒に考えていきましょう。
記事の目次
2023年のデザインのキーワード
2023年のデザインは「没入感」「シミュレーション」などがキーワードだとされています。VR機器の進歩により、実際に体験しているような映像が気軽に楽しめるようになったことに加え、世界的な不況や今もなお続く感染症対策の観点からも、非現実的な体験を思わせるデザインが歓迎されています。
また情報が溢れ、少しでもユーザーの目に留まりやすくなるようにユーザーを引き込むような演出=没入感が求められるようになりました。このようにデザインは、他分野の技術の進歩や社会情勢に合わせて常に躍進しています。
2033年にデザインがどんな躍進を果たすのか、次の章でくわしくみていきましょう。
【2033年】デザイン大躍進
世界的なデザインサービス99designsが発表した「2033年、グラフィックデザインはこんな風になっている」では、10年後のグラフィックデザインは、3つのキーワードが軸になると予測されてます。3つのキーワードは「グローバル」「レスポンシブ」「ローカル」です。
2033年の【デザイン大躍進】についてキーワードごとに考察していきます。
テキストを使わない【グローバル】なデザインが広がる
2033年にはさらなるグローバルコミュニティ化が進み、脱言語社会に近づくと考えられています。社会の脱言語化に合わせて、デザインも言葉(=テキスト)を使わない脱言語スタイルが主流になると予測できます。
テキストを使わないデザインで重要視されるのは、画像・リンク・顔文字や絵文字の活用です。現在もSNS上で、どの国籍の人でも感情が共感できるような絵文字や顔文字が飛び交ってかっていますが、10年後にはこれらがテキスト以上の働きを担ってくれると考えられます。文字の代わりに、画像や絵文字が一面に貼り付けられたデザインが登場するかもしれません。
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【レスポンシブ】デザインは「さらに」レスポンシブになる
レスポンシブデザインとは、パソコン、スマートフォン、タブレットなどの機器の画面に合わせて、レイアウトを調整するデザインを指します。レスポンシブデザインが一般的になってからは、スマートフォンでサイトを開いたときに、パソコン用のレイアウトが表示されて「画面が見づらい」と感じることも減ってきたように思います。規模の小さいサイトでも、PC用とスマートフォン用のデザインを用意するのが常識になっています。
10年後はさらに「レスポンシブ」に磨きがかかると予測されています。使用機器は画面を見る環境はもちろん、画面を見る人の「個性」や「気分」に合わせてくれるデザインも登場することでしょう。Siriが、イライラしている人にはブルーの背景(=気持ちが和らぐ)を表示してくれるなんてこともありえるかもしれません。
【ローカル】なブランディングが進む
企業や個人のSNSアカウントでブランディングが重要視されるようになって久しいです。10年後には地方のブランディング(=デスティネーション・ブランディング)が活発になり、ブランディングがローカルな領域に及ぶと予測されます。
現在も、観光客や住民を増やすために市町村のブランディングが進んでいますが、2033年にはさらにローカルな範囲にまでブランディングが及び「○○市△△町1丁目」にもロゴが付けられているだろう、ということです。小さな公園や神社など名前も知られていなかったような場所がアイデンティティを持ち、わたしたちを楽しませてくれそうです。
まとめ
このページでは、【デザイン大躍進】として、2033年のデザインのキーワードを予測しました。「グローバル」に脱言語化が進み、人の感情にも合わせられる「レスポンシブ」さを身につけ、「ローカル」な領域にアイデンティティを持ったデザインが登場する。考えてみるだけでわくわくしますね。
次回は、デザインの未来③【10年後のデザインツール】として、デザインに欠かせないツールである、フォントや画像のあり方を予測していきます。ぜひお楽しみに。