「印刷物で会社のロゴを正確な色で表現したい」「蛍光色を鮮やかに印刷したい」こんな風に思ったことはありませんか。特殊印刷を用いると、より色の表現が豊かな印刷や色の再現度が高い印刷ができます。
この記事では、特色と呼ばれる特別なインキを用いた特色印刷について、印刷の特徴やおすすめの用途について詳しく説明します。特色印刷について理解してクオリティの高い広告物を制作しましょう。
記事の目次
「特色」とは?
特色とは蛍光色やメタリックな色を印刷物で表現したいときに用いるインキを指します。通常のカラー印刷はシアン・マゼンタ・イエロー・ブラック(CMYK)の4色を用いて行われます。4色印刷を選んで発注すれば、写真やイラストであっても4色の掛け合わせであらゆる色の再現が可能です。ただし、蛍光色やメタリックな色など、4色で表現するのが難しい色もあります。4色で再現できない色を表現したいときに行うのが特色を用いた特殊印刷です。
特色インキはDIC・Pantone・TOYOなどのメーカーのインキが用いられており、各メーカーの色見本を参考にして色を指定するのが一般的です。通常のCMYKの4色インキに特色インキを1色あるいは2色以上加える方法で印刷が行われます。特色インキを使った印刷が5色印刷・6色印刷などと呼ばれるのはそのためです。
特色印刷で表現できる色
特色印刷を用いると次のような色が美しく表現できます。
【特色印刷で美しく表現できる色】
・パール
・メタリック
・金色、銀色
・鮮やかなパステルカラー
・蛍光色
・オレンジ、薄い赤、青
これらの色は通常印刷では再現できなかったり、濁った色合いになりがちな色です。また、アルミ片が配合されたメタリックのインキを用いることで鏡面再現が引き立ちます。特色印刷は美しい表現や再現度の高い表現で印刷物のクオリティを高める技法です。
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4色印刷には限界がある
4色印刷で蛍光色などが再現できない仕組みを簡単に説明します。一言でいうと、蛍光色は色の彩度が極めて高い色だからです。印刷では各色のインキを混ぜ合わせて色を表現する「減法混色」で行います。減法混色の特徴は、元の色より彩度が高い色は表現できないことです。つまり、CMYKの4色より高彩度な蛍光色は4色印刷では再現できません。ほかにも、4色で印刷すると濁った色合いになりがちな色(オレンジなど)や再現しにくい色(青など)もあります。
スマートフォンやパソコンの画面は光を混ぜ合わせる「加法混色」が用いられているので、彩度の高い色でも表現ができます。画面上で見るような鮮やかな蛍光色を印刷物でも表現したい場合は特色を用いる必要があります。
特殊印刷を使うと良い場面
特殊印刷は次のような場面で用いることで、より実力が発揮され、印刷物のクオリティを高めてくれます。
コーポレートカラーを正確に印刷したいとき
会社のロゴなどに使われるコーポレートカラーを正確に印刷したいときに特殊印刷が使われることがあります。名刺や会社案内などを特殊印刷で制作することにより、会社の顔となる印刷物に特別感を持たせることができます。
実物に忠実な色合いを再現したいとき
美術書や写真集など、実物に忠実な色合いで仕上げたい場面でも特殊印刷が役立ちます。通常のカラー印刷ではどうしても再現できない色合いも特殊印刷で再現できる可能性があります。
ワンランク上の仕上がりにしたいとき
特殊印刷が得意とするメタリックな色や彩度の高い色を使用すると、デザイン性の高い印刷物が仕上がります。ワンランク上の仕上がりで他社との差別化をしたい場合などに効果的です。
特殊印刷を使う際の注意
色の表現が豊かな特殊印刷ですが、気を付けるべきこともあります。
通常印刷よりもコストがかかる
特色を用いる特殊印刷は、通常の工程とは別で印刷が行われるのでカラー印刷よりも印刷費が高いです。むやみに特色を使いコストだけがかかってしまったということがないよう、費用対効果を考えるようにしましょう。
デザイナーの力量が問われる
蛍光色やメタリックな色は強い印象を与える目立つ色だけに、デザイン次第では悪目立ちする可能性もあります。効果的に特殊印刷を活かせるかどうかは、デザイナーの力量にかかっています。
コストがあがることやデザインが難しいことを踏まえたうえで、特殊印刷をより効果的に使っていきましょう。
まとめ
特色を用いた特殊印刷は、高彩度な蛍光色やメタリックな色、通常の印刷では濁りがちな色を美しく印刷できることがわかりました。通常のカラー印刷よりも価格が高くなりますが、コーポレートカラーを正確に印刷できたり、デザイン性の高い色合いに仕上げたり、表現豊かな印刷が可能です。特殊印刷を使ってワンランク上の印刷物制作に挑戦してみましょう。